リクガメの野草図鑑(3月)

3月になると、一気に野草が成長してきます。
3月に身近に見られる野草の中で、リクガメが好む、安全な野草をまとめました。

リクガメの嗜好と、入手しやすさを総合的に判断して、独断でオススメ順に記載しています。
なお、嗜好の判断は、私の飼育しているヨツユビリクガメ雌雄2頭、入手難度や時期は静岡県の平野部を基準としています。


キク科(Sonchus oleraceusリクガメの野草図鑑(3月)

3月は、ノゲシなしにはリクガメの餌となる野草を語れません。この時期の主食です。
日当たりのよい場所で多く見られ、庭先や道路わき、公園や田畑の近くなど、どこにでも生えています。芽吹きも成長も早く、一株でそれなりの量が取れます。茎を折ると、白い汁が出ますので、採取の際には袋などがあると便利です。ノゲシフクレアブラムシの類がついていることが多いですが、自然界でも植物と共に付着した昆虫類も食べているはずなので、特に気にせずに与えています。
葉や茎も好んで食べますが、つぼみや花が特に嗜好性が高く、まずつぼみや花から食べはじめることが多いように思います。

同属のオニノゲシはトゲが鋭く、素手で触ると痛いですが、リクガメは気にならないのか、ノゲシ同様によく食べます。
ただ、トゲのために、採取はややためらわれます。

キク科(Taraxacum officinaleリクガメの野草図鑑(3月)

タンポポの花もあちこちで咲いているのが見つかります。
ただ、ノゲシと比べると成長が遅く、一度取るとなかなか2度目の収穫が見込めません。
しかし食いつきは素晴らしく、一番の好物ではないかと思います。
この時期は花はいくらでも出てくるので、花だけをおやつとして与えるのがよいかもしれません。

ナデシコ科(Stellaria mediaリクガメの野草図鑑(3月)

春の七草の1つ「はこべら」です。
春の七草だけあって、早春から緑の状態で生えていますが、暖かくなるとどんどん成長し、3月には花をつけている姿がよく見られます。日当たりのよい場所だけでなく、薄暗い場所にも生えています。
草体が小さいため、大きなリクガメが満足する量を採取するには手間がかかりますが、食いつきはノゲシに劣らず良好です。

アカネ科(Galium spuriumリクガメの野草図鑑(3月)

服などにくっつく、いわゆるくっつき虫です。
ザラザラしていてあまり美味しそうには見えないのですが、食いつきは悪くありません。
そして、生えている場所には密生しているため、一気に採取できるのもポイントが高いです。
成長も早く、たくさん採取できるため、密生場所を見つけたら主食にもできる野草です。

マメ科(Vicia angustifoliaリクガメの野草図鑑(3月)

カラスノエンドウという名前のほうが有名な野草です。
この時期になると、花を咲かせて目立つようになります。
一帯にまとまって生えている事が多く、成長も早く、一度採取してもすぐに復活しているため、定期的な採取が可能です。
人から見ると、美味しそうな見た目だと思うのですが、ノゲシやタンポポと比較すると、食いつきはやや劣るようです。

ナデシコ科(Cerastium glomeratumリクガメの野草図鑑(3月)

道端で小さな目立たない白い花を咲かせています。
葉や茎には毛が多く、ヤエムグラ同様にあまり美味しそうには見えないのですが、こちらも食いつきは悪くはありません。
どこにでも生えていて、それなりにたくさん生えていることが多いため、めぼしい野草が見つからないときには助けられます。

キク科(Gamochaeta pensylvanicaリクガメの野草図鑑(3月)

近縁のハハコグサが春の七草として食べられているだけのことはあり、食いつきは悪くありません。
しかし、この時期だとまだロゼット状のことも多く、少し採取しにくいのが難点です。
もちろん、ハハコグサやチチコグサ、ウラジロチチコグサなども同様に餌として活用できます。

キク科(Youngia japonicaリクガメの野草図鑑(3月)

春の七草の「ほとけのざ」はコオニタビラコですが、道端ではオニタビラコのほうをよく見かけます。
どちらも食いつきはよいのですが、葉はロゼット状で収穫しづらく、花は小さく、花の茎はとても細いため、あまりボリュームがないのが難点です。

シソ科(Lamium amplexicauleリクガメの野草図鑑(3月)

道端にポツポツと生えているほか、田畑のあぜなどには群生する姿もよく見られます。
採取は容易ですが、葉が小さく茎ばかりになるため、あまり食べるところがない印象です。
ほかに採取できる野草がなければ…という位置づけでしょうか。


3月にはギシギシの類もよく見かけますが、こちらはシュウ酸が多く、餌としては不適です。
リクガメも分かっているのか、与えてもあまり食べません。

このほかに、小さくて採取は面倒なオオイヌノフグリやトキワハゼなども、外に出して歩かせているとよく食べています。
気温的にも、日中は外に出せるようになってきますので、日光浴がてら、生えている野草を食べさせるのも良いかもしれません。